【宇宙戦艦ヤマト・パラレルAの世界より】


air icon 白い雪の季節に…...Snow land...


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・・・この前のお話
「この碧の惑星ほしと...furture」
是非、先にお読みください。


「SHINGETSU-World・パラレルAの世界」
「古代進と森雪の百題」No.71【Snow land】より


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= Prologue =



   「あ。雪……」
え? と加藤四郎は窓の外を見た。
「本当だ。降ってきたね」
柔らかい表情でかたわらの恋人を見返す。大きな手が髪を触って、頭ごと包み込むの を、ふぅと息を吐いてその中に温まりながらしんしんとした冷気が外から伝わってき そうな窓にも張り付いた。
 「少し寒いけど……外に、出てみる?」
そう言われて、ぱっと顔が輝いた。――あぁ、こんなところ。かわいいな。
表情のどれもが新鮮で、美しい――もう何年も何年も……特殊事情があったとはいえ 子どもの頃から見守ってきた女性ひとなのに。新鮮で……愛しいな と思うのだ。
 「ね〜っ。ねぇねぇ、早く行こうよ」
するりと腕の中を抜け出して、早くも防寒着を手に持ち、戸口に突進している。 まったく、爆弾娘なんだから――そんなところもかわいくてしかたない。
 「慌てないで。焦るとコケるよ?」
そう言って、口調とは裏腹に素早い動作で玄関まで来ると、その恋人――サーシャ= 澪は、嬉しそうに笑って、戸口をぐい、と開けた。


 一瞬で冷気が吹き込んでくる――そとは一面の雪景色。そしてまた白いものが舞って きていた。その雪の中、飛び出していくサーシャに四郎は目を細めながらも。慌てて 後を追い、そしてその腕に抱きとめるのだった。
「風邪引かないように――きれいだね。一緒に、少し歩こうか」
えぇ、と答えるばら色の頬が、とても愛しいな、と思って。
 まるで雪の精みたいだ――大切に、大切に護ってやりたい。この地球と同じくらいに。
冷たい雪も、2人にとっては何の冷気も与えないかのようだった。


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★TVアニメ『宇宙戦艦ヤマト』をベースにした二次創作(同人)です。

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