candle icon 夢- dream
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82. 【夢・2】

お題No.82「夢」 の裏側です。 -das Gegenteil von Träumerei-
これはパラレルワールド・Aへ続いていきます…。




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 (…だい、くん。……パパ?)
やわらかな温度が辺りを包んで、ぷうん、と鼻くうを温かい匂いが掠めた。
オレンジ色の光に包まれて、古代は星の海から重い頭を上げる。
「古代くん。――そろそろいい加減起きてちょうだい。まもるも私もお腹ぺこぺこ
なんですからねっ」
柔らかい声が降って、古代進はゆっくりと目を開けた。

気持ちよい羽根布団の枕に頭をうずめ、薄いシーツがほとんど何も着ていない体を包んで、
快い、ゆっくり休息をとった日の独特の目覚めが古代を包んでいた。
寝室の向こうからは湯気の匂い。――温かいスープの匂い。
古代くん、とユキが言うのは怒っているときだ。
階上からぱたぱたと小さな足音が駆け下りてくるのが聞こえた。
 「ユキ――」
体を起こす間もあらばこそ、部屋へ入ってきた妻の手を掴み、引き寄せた。
「あ…進さんっ。何するの」
ぱほ、とそのままベッドに倒れ込んで、エプロンをつけたままの柔らかい小柄な姿は、
すっぽりと進の腕の中にある。
 真剣な目で、優しく見つめている夫に、ユキはけげんな目を向けた。
「進さん、どうしたの?」
きょとんと見返す顔は、一児の母である今も時折、少女のようだ。
逞しい腕で抱き込んで、「何でも、ないよ――」と体の後ろから声をかけた。
 ユキはいたずらっぽく微笑んで。
「どうしたの、やっと戻ってきたと思ったら」
そう言って、腕の中からその瞳で見上げる。体は古代に預けたまま、ひとしきり
ふざけるように。その首筋がふい、と伸びて、ちゅ、と顎にキスをくれた。
「早くシャワー浴びて食事に来てね。守はパパとお出かけするの楽しみにしてるんだから」
 そのままユキは扉の外で、下りてきた息子を追い立てた。
 はいはい、まだパパは起きたばかりだから、あっちで手とお顔を洗って。
いい子にしてるのよ。――寝室に来ちゃだめだって言ってあるでしょう?
すぐパパも来ますからね。
 部屋を出ていきながらユキが息子に言うのが聞こえて、古代は苦笑した。

ほう、とベッドの上に胡坐をかいて、体を起こす。
朝の光を採光するように作られているこの部屋。家は、小さいが庭のあるつくり。
少し小高い丘になっていて、わずかながら海が見下ろせる、町からもさほど遠く
ない場所。――ヤマトは太陽膨張による第二の地球探査と、その後に続いた天災
銀河交差と水惑星・アクエリアスの来襲を経て、その名と共に、アクエリアス・
ルナの海に沈んだ。親友、島大介も――共に。
古代進は第7艦隊司令−−戦艦アクエリアスの艦長も兼ねる。現在、地球には
12の艦隊があり、その最も外周を統べるのが俺の役割だ−−。
 島−−。親友が逝ってすでに5年。
 沖田と島の遺言のまま、最愛のユキと家庭を持って5年になる。
一子・守が生まれ、多忙だが、幸せな生活を営んでいた。
どうしたのだろう…それがまるで夢の中の出来事のようで。

 たっぷりの朝の光。
昨夜、最愛の妻と、優しく愛し合った部屋。
久しぶりの地球への帰航と、少しの休暇――幸せな、日々。
 古代はベッドから起きると、シャワーへ向かった。
キッチンからユキと息子・守の声が響いてくる。
熱いお湯を浴びていると、扉の向こうからまた、ユキの声が聞こえた−−。




 (こだい……。さん)
「古代さん−−艦長。−−そろそろ火星です」
アテンダントの声がして、入室してもよろしいですか、と問われた。
「あ、あぁ…」
まだ夢見心地で、あぁ。眠ってしまったのか。
昨夜はよく眠れなかったからな−−。どこでも眠れるのは戦士の鉄則だが、やはり
自分の家が良い。火星まで来れば、コロニーはもうすぐだ。

 頭を振って辺りを見回すと、そこは見慣れた連絡艦の中。
一仕事を終え、艦をドッグに預けてから、少し長めの年末休暇にいるため、自宅のある
火星コロニーへ向かっていた。
(記憶の混濁−−あれは、夢か?)
古代の所属は第7艦隊ではない――現在の地球には15の艦隊があるはずだ。
その第15艦隊を率い、外周航路の任務に就いている。
第13独立艦隊であった宇宙戦艦ヤマト−−。俺はそこの戦闘班長として、この
キャリアをスタートした。
だいたい、水惑星・アクエリアスって何だ。ヤマトは海中深くのドッグで静かに眠っ
ている。沖田艦長は最初のイスカンダルの戦いから戻った時、地球を目前に艦内で
亡くなられた−−それに、島は生きているぞ。縁起でもない。

 何度か見た、夢――。妙に印象的な現実と紛うべき若い自分の姿。
20代後半だろうな、あっという間に過ぎてしまった時を、俺は惜しんでいるのか?
だが地球は三度の大戦から辛うじて立ち直った。
この世界の話でないことだけはわかる――ユキと結婚? 俺はあれから1人で生きてきた。
デザリウムを追った後戦いはなく、親友は失われてはいない。
復興を遂げ、太陽圏へ、銀河へと進出していった地球。
その一翼を担う宇宙軍の中枢にいる、自分や島。
(ずいぶんリアルな夢だな−−)

(一つを得れば、一つを失う――)
そうなのだろうか。
古代進は自答する。

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 火星コロニーへ降りた。

 ふわり、と頬をかすめる風のような感覚があって、その柔らかな感触にふ、と
顔を反らせる。とっさに手を伸ばしてそれをつかんでいた。
「ごめんなさ〜い」
という軽やかな声が上から降って、手にしたそれを見ると、小さな男性用のスカーフだった。
見慣れた色と、形。やわらかな合成絹の風合い。
見上げると数階上の窓から若い人影が手を振っていて、済まなそうに声をかける。
「今、取りにうかがいますから…ごめんなさい」
 若い人妻だろうか。
 ふと穏やかな気持になって、遥か昔に、ついに身につけることのなかった階級の
印であるその色のスカーフを見やった。
軍属の、士官の――おそらく惑星をベースにした艦隊勤務の。
古代進自身が、厳しいあの時代に一気に飛び越えてしまった階級のもの。

 ややもして、はぁはぁと息せき切って、それでもあまりラフすぎない程度の格好
の若い女性が、それでもエプロンは外したのだろうが、頭に巻いていたバンダナは
外すのも忘れたらしく、古代のもとに駆け寄ってきた。
ぺこりと頭を下げて。
「ご、ごめんなさい。うっかり飛ばしてしまって――」

火星のコロニー居住区。
空気はさほど豊富というわけではなくとも、コロニー仕様のこの辺りでは、地球並
みの自然も望める。天の向こうに望めるのは宇宙ではなく、対岸の陸地であったり
もするが、それでも夜の今頃には外からの星空が投影されて、夜の時間帯であるこ
とを示している。
その若い女性は、翳りのない、輝くような笑顔で顔をあげた。
「どうも、ありがとう」
20代前半だろうか――いやもしかしたら10代かもしれない。
古代はその顔に、ふと、出逢ったばかりの自分とユキの姿を重ね合わせて、瞳を和ませた。
「あ、あの……」
黙ってしまった相手に臆するように、何か怒らせるようなこと言っちゃったかしら、
と心配しているのがわかる。
――古代はいまだに女性と相対するのが得意ではない。
30代も後半に入って、ますます重責を帯びたこともありまた寡黙になってきた。
その童顔ともいわれる顔――だからこそ似合わない髭などはやしているのだが――と
相反して、年齢に見合わぬ落ち着きと憂いは、古代進の人格の特徴を色濃く示している。
「あぁ――気にすることはありません」
ニコリと微笑めば、ほとんどの女性が頬を染めてしまうだろう、その少年のような
笑顔は(本人が気づかぬだけで)いまでも健在である。めったに見せないため、また
そのギャップが魅力的ともいえた。
案の定、その女性はただでさえ緊張していた表情をまた、ぽおと染めた。
もともと人懐っこい性質たちなのだろう、にこっと見上げて、笑う。
明らかにほっとした、というように。
 古代は気づいた――コロニーにはまだ一般よりも軍属の家族の方が多い。
どうしても、そうなるのだ。
なによりも古代が今身につけているのは艦長の制服――おそらく夫が軍属であれば、
近づいた時にその肩章や襟のラインの意味には気づいているだろう。
宇宙艦隊勤務の艦長職――しかも黒は主力戦艦の艦長。そう知れば、態度が硬く
なっても当然ともいえた。
だがその女性は。
「あの……ありがとうございます、支給品なので、無くしてしまうとたいへんですから…」
また古代は表情を緩ませる。
「よく、わかるよ」
共犯者のような気持ち。
「あの……お名前を。改めて御礼を…」
と言いかけて、その彼女の表情がにわかに変わった。
 え、と古代が振り返ると、後ろから、近づいてくる若者の姿。
「あなたっ」
ととっと若者は駆け寄り、古代を目視した処で、驚愕の表情に変わる。
こ、だい……司令、とまでは口に出さず、抑えた風で、直立不動の姿勢で最敬礼する。
 傍らの妻を横に。
「お、お会いできて光栄ですっ――あの。家内が、何か――」
緊張しまくっているのがわかった。

 古代進の名と姿は、防衛軍の若手士官の間では知らぬ者はない。それは当然だろう。
そしてまたこの火星空域では、共に作戦に従事することも、同じ艦に上乗する光栄に
浴することもあり、さらに現場の者たちにとってそのカリスマは身近で憧れのもの
である。
 「あなた……」
女性は柔らかく彼の肩に手をかけて。
「スカーフ、拾っていただいたのよ」
柔らかな声で語りかける様子は、ものおじしておらず、微笑ましい。
軽く敬礼を返したあと、それを見つめていた古代も
「奥さんが、上から洗濯物を飛ばされてね――私の処に降ってきたので、お知り合い
になった、というわけだ」
少々ひょうきんな口調でそう言うと、若い士官はさらに驚いて
「し、失礼をば――」と言おうとするのをさえぎって。
「大事に、したまえ」
は? と彼は姿勢を崩して問い返したそうな顔をした。
 若い2人の信頼と愛情が、目に見えた。
火星までついてきて、戦艦に乗る夫の留守を守るその女性の、幸せそうで翳りのない
笑顔。
俺はそういったものを守るために、戦ってきたのだと思うと――かすかなうずき
とともに。これで良かったのだという、喜びを感じることができる。
「ありがとう……」
え? とけげんな顔をしている若い2人に古代は、つい口に出た。
「いや、何でもないさ。――コロニーも風の強い日があるみたいだからな」
古代はまだ悪戯めいた口調のままそう言った。
「奥さんを風に持っていかれないように、注意した方がいいぞ」
最後はウィンクしそうな勢いで、その若い士官は首まで真っ赤になった。
「司令――」

「あ、ありがとうございました――」また彼女の明るい声が追いかけた。
 じゃぁな、と背を向けてゆっくりと歩き出す。
若い2人の興奮したやり取りが聞こえていた。

「お前、失礼しなかったか?」「なによ。親切な方じゃないの」
「ばか、あれ。艦隊司令の古代艦長だぞ」「えぇっ」「俺たちなんか足許にも
寄れない人なんだぞ」「素敵っ――ヤマトの、」
「あぁそうだよ……」「きゃぁっ、わ、私。お話しちゃった――素敵素敵っ」
「おい、…」

 くすりと苦笑しながら古代は一人、待つ者もない自宅いえへ足を向ける。


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 星が見えていた。

 幸せそうな2人のやり取りは――自分が過去へ置いてきてしまったものだ。
もう忘れた――色あせたようなセピア色の思いとともに。ふだんは記憶のアルバム
の中に封じ込めてしまっている懐かしい、愛しい思い出。
久しぶりに思い出したな――。

 居住区を抜けた丘の上で。木々の間から。
古代はふと足を止めてまた星空を見上げる。
 連絡艦の中でみた、オレンジ色の夢を、ふと思い出した。
(ユキ――今ごろ、どうしている? ……幸せで、いるか?)

 そう問いかけることは、胸に痛みを覚えるので。
その名も、面影も。いまでも一瞬たりと忘れたことすらないというのに。
だが任務にまい進し、後輩を育て、宇宙ほしの海を駆って。
仲間がいて、生きがいのある仕事をし、そして認められていくことも、一つの幸せだろう。
今、古代はそれを、自嘲でもなく後悔もせずに受け容れていた。
 ただ時折――。

 人の幸福に、傷つけられることがある――。
翳りのない幸福を見るたびに。
その2人の、家族たちの、子どもたちの幸せを守ってきたのは自分たちだという自
覚があり、そのことにだけは。
誇りと、人と生まれ、10代からの時間の総てを、戦いに明け暮れたことへの、肯定を。
自分の人生への、唯一つの褒章として、感じることができた。
ガミラスから、ガトランティスから、デザリウムから――。
三度の戦いから人類と、地球を守り――そして。
 その中で自分を慈しみ、共に戦い、心馳せた愛しい女性おんなも。
自分もその幸福を得ようと、命掛けで得た互いを得られると思ったこともあったのだ
けれどな。
平和が戻り、互いに愛しすぎた恋人たちは――。
互いを失うことを恐れ――互いしか目に入らなくなることへの苦しさと。
そして、彼女の愛のあまりの重さに。
…俺は、逃げたんだ。
そのことを後悔したことはない。
ユキは自ら、去っていったのだから。だが俺も。――どちらが先に告げるか、だけ
だっただろう。だからといって。俺はほかの女を愛することも、ほかの女と家庭を
築くこともできなかっただろう。
あの、敵地から戻り、再会した時の喜びと――様々な憶測の中で真実は、無傷で、
彼女が一人戦い生きて帰ってきたときの喜び。
そして結ばれ、新たな日々を共に生きていこうとした誓いも――時が蝕んでいった。
2度流れ、延しに延した結婚が、その理由になったのかもしれぬ――。
多くの地球人が失われ、もとの国家を維持できなくなったほどの人口の激減と
地球をよみがえらせる力、防衛線の構築――求められるもののあまりの多さに、
互いが疲弊していった結果だったのかもしれぬ――。

だが互いの愛は。
互いしか見えなくなっていくほどの、まるで一対の自分を、相手に求めるような生活くらしは、
明らかに互いを疲弊させ、妄執に捉えさせ、互いを蝕んでいったから――。
 島が気づいた。
「古代――お前。ユキを、愛しすぎるなよ」
月の基地ですれ違った時に。地球で、防衛軍の中央病院で逢ったユキと話して、あ
まりの変貌ぶりに。驚き、また怖れたという。
「今のユキは――お前のためなら。自分の命だけではない……地球だって滅ぼし
かねない」
ヤマトの留守を守り、身を挺して地球のために戦った女ではない。
ガミラスに抗して、自らの意思で敵地へ向かった少女ではない。
――古代のため、だけに生きている女。
「ユキはお前じゃない――お前も、ユキじゃないんだ」
血を吐くような親友の言葉。……古代の中で目を塞いでいたものが起きた。
ユキ以外のすべてを戦いの中で失ってきた男。両親も、親戚も。近所の仲良しも、
幼馴染も、ただ一人の兄ですら。そしてその彼を愛した姪も。
ユキだけを家族とし、ユキだけを愛し、囚われて。
 「俺は苦しいんだ――」
「だがな古代」そういう島も苦しげだった。
「それでも古代。お前はユキを愛しているんだぞ」
お前たちは互いに互いが必要なんだ、と。あぁ。わかっているさ。

そして次に帰還した時に――。
2人で暮らした部屋を、古代は出た。
官舎ではなく、結婚したら住まおうと言っていた地球の新しい家。数々の功績によ
る報償で得た金銭を、ほかに使う当てもなく。それで購入していたマンションだっ
たが。
ユキに、別れの言葉を告げて。
彼女はそれを否定しなかった――私も。愛しているわ。だから。
一緒に居られない――。
 それ以来、古代は地球へ戻っていない。
寄航することや本部に立寄ることはあったが――地球に“家”はない。
月に小さな部屋を。あとはこの火星に登録した官舎と、現在所属する第十五艦隊の
ベースである木星の衛星・ガニメデ基地に彼の家はあった。

星の光が目に優しかった。
古代進は、すべてを受け容れ、強くなっていた。
自分の傷も――人の生も、死も。
人を愛することを教えてくれ、愛され必要とされる幸せも教えてくれた、ユキ
心から――愛しいと思い。
だが。
(どうしている?)
そう思うことも、時折でしかない。

それでも1人で。
古代進は、幸せだといえた――完全な幸せなど人は望めないのではないか?
何か欠けるものがあったとて――所詮、人とはそういうものなのだろう。
俺は、宇宙で生きるように運命づけられ、今もその途を歩いている。
だから。
皆、幸せでいてくれ。

若い夫婦の姿がまた目に浮かぶ。
その姿に癒され――力づけられ。
だが、どこへ向いても自分のものでない幸福に包まれて、少し、傷つく。
 ふっと古代は笑った。
(俺も、少し年を取ったのかもしれない)
古代はまた星を見上げ、背を伸ばすと、またゆっくりと坂を下りていった。


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 また一つ、新しい、時が行く。
宇宙は今日も、静寂を保っている――。

【Fin】
  
綾乃
Count009h−−14 Nov,2006(01 Dec 改)
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古代進&森雪100のお題−−新月ver index     
あとがき、のようなもの
現在のデータ
Cont001 No.57 コスモゼロ(改題「コスモ・ゼロ」)、Cont002 No.100 誕生、Count003 No.15 兄と弟、Count004 No.41 ヤマト艦長、Count005 No.21 再び…、Count007 No.01 一目惚れ、Count009 No.82 夢、Count010 No.03 旅立ち、Count011 No.84 First Kiss、Count012 No.09 もう、我慢できない、Count013 No.18 ありがとう、Count014 No.20 告白、Count015 No.26 ふたり、Count016 No.29 My Sweet Home、Count017 No.70 冬木立
「温泉」「エンゲージリング」は未完。「プライベートーコール」はボツ原稿

count009*2−−「夢 -das Gegenteil-」
  寒くなると書きたい、というような話を表に書いて、その反対側から見た世界です。
こういうのをパラレル・ワールドというのかどうかはわかりませんが。「夢」では三日月worldの古代くんが、ユキや子どもの処に帰ってきた夜に見た夢が、現実である世界に彼はいます。そしてその世界を夢に見るわけですね。互いを覗き込めるのは本人だけです。古代進という人を接点に二つの世界が交差しているお話。
  互いが求めることだけが幸せだろうか? 愛し合う2人だからこそ。
  作者の趣味やものの考え方が反映された話ではありますが、古代進にとっては(森ユキにとっても)“あり得たかもしれない世界”、この世界で彼らはどうなっていくのでしょう。火星に住む独身エリート艦隊司令の古代くんは、「太陽膨張とアクエリアス来襲のなかった地球」の彼です。島大介は生きて彼と共に地球を支えていきます。
  続きは、「心の変化」「ラブシュープリーム」で…。
  どこにいても。どう生きていても。−−強くて、幸せな彼らなのです。

 またお会いできましたらと思います(_ _)。綾乃・拝



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